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◆08/28更新◆
大阪・梅田地下街の恐怖怪談−それと性同一性障害(絵麻)
こんにちは。私は大阪の北新地という場所にあるクラブで働いている絵麻というホステスです。

夏場のこの時期になると、クラブでのお客さまとの会話にも「怖い話し」が時々出るんです。怪談です。まあ、お客さまの中には、私たちが「何か怖い話しとか知らへんのですか?」と、話題をふっても「お釜の中にな、3日間ご飯入れっぱなしやってん。ご飯がこわい話し」とか、ちょっとそれはお客さまに言うのは失礼だけど、時々お正月とかに実家に来る親戚のおじさんでも言わないような、ギャグとして成立しているのかどうか、素人の私には判断しきれない返答もされます。そういう時は笑ってボトルをもう1本入れてしまうんですけどね。
ところで、最近、私たちホステスの間では、すこしおっかないうわさ話があるんです。それは、大阪の梅田地下街にある泉の広場というところに現れるという「あきちゃん」というおばけというか幽霊のことです。
梅田の地下街はたぶん日本でいちばん広くて複雑な地下街だと思うんです。日本中行ったことはないからたぶんなのですが。そんな地下街に、噴水のある「泉の広場」という、待ち合わせ場所にもよく使われるところがあるんです。そこに、夏場でもいつでも赤いコートを着た長い髪の「あきちゃん」というおばけが出るらしいんです。あきちゃんは「すみません」と話しかけてくるらしいです。「ん?」って振り向くと、一瞬若くてかわいい女の子に見えます。でも、顔をよく見ると、目に白目がなくて、全部黒目なのだそうです。私は遭ったことがありませんが、これはさすがに怖いですね。
でもね、おばけとか心霊ではなくて、この辺りには、初めて見た人が「ぎょっ」っとする人たちもいるんです。赤いコートを着た髪の毛の長い人たちが。
それは「おかまさん」です。
最近はあまりいないのですが、泉の広場周辺にも、おかまさんは結構います。男性に「遊んでいかへん?」と声をかけます。
今のおかまさんは、私なんかよりもすごく綺麗な人も多いのですが、正直「おばけ」と言われても仕方ないような人もたくさんいます。
梅田には少ないですが、通天閣の周辺の「新世界」という繁華街には、失礼なことはわかっていても「おばけ」としか表現できない、おかまさんがたくさんいます。彼女たちはたぶんもう60代で、当然おかまさんと遊ぶ男性にしても、若い子の方が良いに決まっているから、お金がまったく儲かっていません。だから、はげている人は安いかつらで、白塗りみたいな安いメイクで、古着屋で買った一昔前のワンピースを着ています。初めて見たら精神的ショックを受けるくらいのインパクトがあります。
でも、彼女たちは「性同一性障害」なんていう言葉が存在しないうちから、おかまさんをやっています。今は、きちんと性同一性障害が認められ、政治の世界にも性同一性障害の人が進出しています。
でも、新世界の60代の白塗りの彼女たちは、生まれてから何十年も「変態」「変質者」というレッテルをはられ、世間からさげすまされてきたのだと思います。今から法律や政治や人権を勉強する時間もないし。このまま一生を終えるしかないのだと思うと、胸がしめつけられます。
本当の怪談は、自分たちとは違うものを認めたくないっていう、人間のエゴの中にあるんちゃうかな?なんて思ったりします。
絵麻
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